シマニテ・ログ 【タビノタヨリ】LETTERS 06
神の旅路 三宅島編
消えぬ灯台のあかり
南よりめぐり来る、碧き海の道
それは神の旅路だった・・・
伊豆の海の南、
あたたかき潮のめぐりに抱かれた島
三宅島こそ、
三島大明神のはじまりの地

悠久の歴史の中で
幾度となくむき出しになった
底知れぬ大地の力と
そこに息づく人々の
切なる祈り

大地が時に空を灰色で満たし
人々から背をそむけても
それでもこの島を
「ふるさと」と呼ぶ心
絶えることのない
故郷への想いは
自然に生かされていることへの
感謝の心あってこそ
― あの島へ帰りたい

― この島で生きていきたい
どんなことがあっても貫いてきた
そのひたむきな思いと命の芯に
触れるにつけ
わたしたちは
言葉を越えた何かを知ることになる
大地の息吹に寄り添い
ともに歩みを重ねた
島の人びとの誇りが照らすのは、
心の岬に立つ灯台

それは
ずっと変わることのない
はじまりの場所
はじまりは、
名もなき海の静寂の中に
ただ在る
これから形を成そうとする願いが
光を宿す場所

そこに在るのは、
立ち止まるためではない
引き返すためでもない
何度でも、
生まれ直すために
ひそやかにともる
心の奥の小さな灯
潮風に吹かれ、佇みながら
今日もただ静かに
海のはるか向こう岸に向かって
そこにしかない
ゆるぎない光を放ち続けている




